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2024年10月

2024年10月27日 (日)

2024/10月   私の紫金山・アトラス彗星の思い出づくり

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0.近日点通過前から直後(明けの彗星段階)
大彗星化を疑っていたこと、薄明中の彗星で迫力なさそう、観察条件悪いということで
朝の彗星で仕事とのとの相性が悪いので全く動かず。

1.近日点通過後、初トライ 10月11日(金)
近日点通過後の明け方の写真をwebで眺めていて、「もしや」「まさか」が芽生えてきた。
今年は9月までは仕事が忙しく8,9月は天文どころではなかった。休日出勤も続いた。
10月は落ち着き、代休も残っている。

後悔しないように行動を開始してみた。、もし大彗星に化けたら、13日からの週は毎日
スタイルで出勤して早上がりして彗星観測に行くつもりもあった。

まずは、10月11日(金) 機材を積んで職場へ向かい、15時で仕事を上がって信州方面へ。
しかし調査不足が祟る。道中で気づいたがこの日はまだ太陽に近く、見ごろは18時前。
そして上信越道がこんなときに限って工事渋滞があって30分ロス。
13,14日ころの見ごろのロケハンも兼ねて野辺山界隈に行こうと思っていたのに
これでは間に合わない。

目的を変え、「この彗星がナンボのものか見極めるため」として手前の軽井沢ICで降り、
目的地は浅間山山麓の北軽井沢に。結果は

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「雲ガー」。全く見えず。
web上の他の方の報告も、地味なものでほっとしたのか、がっかりしたのか複雑な気分。
18時で諦め、いつもの仕事帰りと同じように帰宅。家で夕食&風呂。夕方彗星はいいね。

2.本番トライ? 本番? 10月13日(日)
前日の12日(土)はまだ金曜翌日で大化け変化も期待できず、天気予報も悪いので遠征せず。
そして、多くの天文ファン、いや一般人まで記憶に残る日となったこの日。

この日は甲信の予報はまずまず。3連休の中日でもあるということで遠征決行。
目的地は野辺山高原の中でも、八ヶ岳が低く見える国道141号よりも東のエリアにて計画。
16:30頃現着できるように出発。

道中は雲が低空にかかっているように見えるが、致命的な感じはせず。八ヶ岳がみえてきても
これなら現地は晴れてだろうと楽観視し、高速を降り野辺山方面に走る。
空のほどんどは晴れ、しかし野辺山が近づいてきても西側の八ヶ岳に雲がかかっている。

現着しても同じだ。西の低空は雲である。これでは、彗星に雲がかかって見えないのでは?

この心配を置いたままあと1時間待つわけにはいけない。ここは行動だ。

八ヶ岳の反対側は晴れていることを願い、茅野方面へ向けて車を走らせ始めた。
あと1時間、無事着けるか?! 久々にキレキレの走りで目指した。

原村に入ると晴れ。しかし土地勘のある文化園近辺は木が高く彗星がは厳しそうだ。
時間はもう17時半近く。山を農地エリアまで下る。

すると、稲刈り後の秋を彗星写真に加えられそうな景色が。
今回は機動性重視、カメラ&カメラ三脚、双眼鏡のみだ。すぐにカメラをセット。

日没は過ぎもう金星は見えている、でも彗星は全く分からない。
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双眼鏡で捜索、ん?あれか? 試しにカメラで撮ると、写り始めている!
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時間が経つにつれどんどん見えてきた。ついに肉眼で頭が確認できた!
スマホを向けると尾まで写る。
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尾もはっきりとに双眼鏡はもちろん、肉眼でもはっきりと見える。
6Dのライブビューで尾がみえる。これは異常事態だ。彗星もすごいが時代の変化もすごい。
これは私の人生の中で「大彗星認定」級の彗星だった。18:19 認定した。

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観望と写真を交互に。このようなときに写真ばかりでは勿体ない。

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宵の彗星。空が暗くなりよく見えるのと沈むのとの闘い。もう沈んでいく。
感動の時間はもう終わってしまう。最後に一番上の写真も撮り、記念に残す。

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彗星が沈んでも余韻に浸っていた。
そして振り返ってみれば、この場所は学生時代、上田が実家の同期の家へしし座流星群を見に行って、
上田が曇っていたので緊急で移動してたどり着いたところのすぐ近くであった。何か運命を感じた。
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しばらくして帰路に。上信越道から茅野まで来てしまった。中央道は連休中日の夕方でまだ数十キロの渋滞。
普段の天文遠征では夕方に代えることはないから決してない経験。
ここは、帰りは麦草峠を越えて小海まで戻るぞと、久しぶりに夜の峠を攻め、佐久から横川を超えて帰宅。
天体写真撮影に行って、まだ寝る前の家族に会う、というのもまた新鮮な経験であった。

HBやら百武やらでいろいろ感度が下がっているとはいえ、それ以来の自分にとっての肉眼彗星、
新鮮な撮影の旅。想い出に残ること間違いなし。

3.家族と 10月14日(月・祝)
この日は天気がもう悪化の予報。連日遠征は止め、自宅近辺で見えれば家族に見せてあげることに。
しかし、雲多く、曇り。時おり雲の隙間があるのでスマホを向けてやっと写る程度。双眼鏡でも見えず。

結局、この週の関東は天気が優れなった。しかしニュースになって会社の同僚などが興味を持ち、
雲間からスマホで撮影して見せてくれたりした。また帰宅時に跨線橋の上で空をみる人が多数いた。
人生初経験だった。SNS,スマホ時代の彗星騒ぎとはこんな感じになるのだな、と学ばせてもらった。


4.別れ 10月21日(日)
20日までも天気が悪く、その先も優れない予報。仕事を休むほどでもない。
そのためこの日がお別れになる見込み。夕方17時になって赤城に車を走らせた。
埼玉はこの日もまた空には雲が多い。

なんとか18時に赤城に到着。赤城ICから10分程度の赤城山麓に着いたが・・・
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雲がー。 双眼鏡でなんとか核が時折見えたのみであった。
しかも、思いのほか、というか思っていた通り赤城はまだ都会に近くて明るい・・・

これにて残念だが恐らく、私の紫金山・アトラス彗星はおしまい。
別れを告げて、夕食に迷うように現場を後にした。


さいごに
私にとっては、見た目は夜にじっくり見られた大彗星へールボップ、百武彗星と同レベルではないが、
久しぶりの肉眼彗星で、しかも環境が変りスマホでも撮れる時代。彗星に久しぶり会えたことと、
一般のSNSや街の会話にも上がる、写真もあがる「共有できる彗星」の初めての体験でした。
またこの経験はしたいものです。もっとゆっくり見られる彗星がまた来て欲しいなぁ。

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