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2011年12月 4日 (日)

PHD Guiding パラメーター解説シリーズ3 <準備編2>①

Guiding パラメーター解説シリーズ3 <準備編2>
今回は、
○「ピリオディックモーション」と 「極軸(望遠鏡)の誤差」 測定 
の説明をします。

PHD(オートガイド)の説明には遠回りのようですが、この2つは把握しておいたほうが、
パラメーター設定が行き詰りかけと時の目安となると考えるからです。

さて、早速内容に入りましょう。

===================================

「ピリオディックモーション」 と 「極軸(望遠鏡)の誤差」と
・ピリオディックモーションは 赤経(RA)の追尾に、
・極軸(極軸望遠鏡)の誤差は 赤緯(DEC)の追尾に、
影響を与え、それぞれの誤差が大きい場合にガイドが困難になることはもちろん、
誤差が小さいのに積極的にガイドをさせるようなパラメーターになっていると
暴走を招く原因となります。

PCなどを使ったオートガイドが主となった今ではこの2つは簡単に測定ができます。

■まずは数学的準備をします。

PHDのグラフの縦軸1区画(ガイドカメラの1ピクセル)が何秒角か把握しておく必要があります。
1ピクセル当りの角度(秒) FOVp["] は、ガイドカメラのピクセルサイズ Psize[μm]、ガイド鏡の
焦点距離をf[mm]として、
FOVp["] = 206*Psize[μm]/f[mm]
となります。PHDの縦軸1区間が、この式で求めらる角度になります。
私の105SDPは515mm、SSAGが5.2μmなので、2.1["] です。

■測定に入ります。

○はじめに基礎知識。
PHDの横軸1区画は時間の1分、縦軸の1区画は上式で求めた角度です。
測定をすると教科書的には下図のような波形が得られます。

2

DECは数分もすればどちらかの方向にずれていきます。これが極軸誤差による影響です。天の赤道と子午線が交差する付近が、極軸の方位誤差の影響が赤緯のズレとして最も大きく現れることろです。天の赤道と地平線の交点(東西あります)が、極軸の高度誤差が赤緯のズレとして最も大きく現れるところです。

RAは数分(赤道義のウォームホイル歯数144枚なら10分、180枚なら8分、288なら5分)の周期の
サインカーブのような波形になります。現実的にはサインカーブよりガタガタで他の周期の波も混ざります。
波の形はその時々(歯車の位置関係)で異なりますし、波の始まる部分もどこから始まるかはその時々です。

○そして実測定。
極軸誤差とピリオディックモーションの計り方(撮り方)

①ガイド用の鏡筒に、オートガイドカメラと取り付ける。
 300mm程度の短めがお勧め。精度が良くない赤道儀で焦点距離が長いと、
 グラフの範囲から出てしまい、測定できない場合がある。
②極軸望遠鏡で、赤道儀の取り扱い説明書に従って極軸を忠実にあわせる。
 EM-200などでは経度補正の設定などに狂いがないかも確認する
③大気の浮き上がり分も補正してみる。
 北緯30度から40度では、北極星は1’ 40”から1’ 9”だけ浮き上がって
 実際よりも上に見えています。この分、逆に下に見込んでセットする。
④子午線と天の赤道が交差する(要するに日本では天頂の30°程度南)付近にガイド鏡を向ける。
⑤PHD guidig の Adbanced の設定項目のうち、Disable guide output にチェックを入れる。
⑥ガイド星を指定するまでの操作はいつも通り行い、PHDボタンを押す。
 キャリブブレーションは不要(というか、⑤の設定なのでPHDが行おうとはしない)
⑦PHDのグラフを見る。10分間とりあえず見てみよう。
 10分間でどれくらいずれたか、グラフで読み取ってみる。
 赤緯成分(極軸ズレ)評価は⑪へ
 赤経成分(ピリオディックモーション)評価は⑭へ
 グラフの画面コピーなどをとっておき後でゆっくりやると良いでしょう。

⑧今度は④ではなく、西または東のあまり低すぎず、
 かといって天の赤道から遠すぎずの星を入れる。
 (要するに、北西か北東の高度20~30度程度の星を入れればよい。)
⑨ ⑤⑥を行う。
⑩PHDのグラフを見る。10分間とりあえず見てみよう
 10分間でどれくらいずれたか、グラフで読み取ってみる。
 赤緯成分(極軸ズレ)評価は⑫へ
 赤経成分(ピリオディックモーション)評価は⑭へ
 グラフの画面コピーなどをとっておき後でゆっくりやると良いでだろう。

⑪ ④の位置は、極軸のセットの水平方向誤差が、赤緯に最も影響を与える場所である。
 10分間で赤緯のグラフはどれくらいずれたか、グラフで読み取ってみる。
 下の表から極軸がどれくらいズレているのか、読み取ってみよう。
 x[分間]で検出されたズレが dσ[“] のとき、
 σ[‘]だけ極軸がずれているということが分る表である(天文年鑑の公式から計算した)。

⑫ ⑧の位置付近は、極軸のセットの高度方向誤差が、赤緯に最も影響を与える場所である。
  10分間で赤緯のグラフはどれくらいずれたか、グラフで読み取ってみる。
  下の表から極軸がどれくらいズレているのか、読み取ってみよう。
  x[分間]で検出されたズレが dσ[“] のとき、
 σ[‘]だけ極軸がずれているということが分る表である(天文年鑑の公式から計算した)。

Photo

⑬極軸ズレの評価
 ざっくり考えて水平方向・高度方向で誤差が大きい方で判断してみよう。
(厳密には両成分のベクトルで考えれば良い。)

  1’のズレならとても素晴らしい赤道儀とあなたのセット能力。
  3’程度は、高価な赤道儀ならまずまずな値。大体高価な赤道儀のスペック(保証値ではない)
  5’程度は、高価な赤道儀にしてはちょっと大きいかも。廉価品ならこの程度かも。
  10’程度は、我慢できないところです。高価な赤道儀ならメーカーに調整依頼しても良いのでは。
    あなたの合わせ方にも問題がないか確認を。視野の回転も影響が見えてくるだろう
   30’程度は、もう北極星を中心であわせたのと同じこと。
       極望ではなくただのパイプでも同じ程度にあわせられる。

  1’程度に近い方の場合、赤緯関係のパラメーターを積極方向にすると、
    ハンチングの原因となりやすいかもしれない。
   10' 程度に近い方場合、赤緯関係のパラメーターを緩いものにすると、
       ガイドが間に合わないかもしれない。

   そんな目安が得られる。

⑭ピリオディックモーションの評価
  ピリオディックモーションは⑦⑧いずれで得られたものでも評価できる。
  そのときの歯車の位置でも刻々と異なるもの。どちらでも好きなほうで評価。
  赤緯のグラフはサインカーブや歯車状の大波が既述の歯数に応じた周期で現れているはず。
 波の谷底と頂点まではどれくらいの幅だろうか?
 幅が10”であればピリオディックモーション±5”と一般に表現される。

 ±5を割ってくる赤道儀の方は、良いものをお持ちです。
 概ね5より大きいのではないだろうか。
 
 素直な波形ならば大きくてもパラメータ設定に大きな苦労はないと思う。
 しかし、汚い波形(急に変化することが部分的にある)は厄介だ。
 波形を頭の隅に置いておこう。ガイドを始めて赤経が毎度急に暴れるなんて
 ことがある場合は、ここからの影響だ。

すぐ次に続く

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コメント

初めてコメントというか質問をさせていただきます。
PHDによる赤道儀の極軸精度、Pモーション評価はとても参考になりました。
質問はキャリブレーションする前にログをとることができるでしょうかということです。
目的はオートガイドできない赤道儀の評価です。公共の天文台の備え付け赤道儀なので(昔風の)極軸をわざと外すこともできずPHD2でできるととても助かります。(自宅の機材ではもちろんキャリブレーションして使っています)
評価した結果を製造業者にフィードバックして調整、改善できたらと思っています。

"PHD guidig の Adbanced の設定項目のうち、Disable guide output にチェックを入れる。"とあります。
私はPHD2_2.6.2を使っていますのでたぶんガイドのタブのEnable mount guide outputのチェックを外すがこれに相当すると思います。 たしかにキャリブレーション後はこれでログが残せましたがキャリブレーションしないとガイドがはじまらず、ログもできませんでした。よろしくお願いいたします。

Tatsuji_Tanaka さま、こんにちは。ご覧いただきましてありがとうございます。、

実は私はログを見ていないんです。というか見たこともないのでログについては全く語れないのですが、

ログではなくて、グラフを画面コピーで残して業者の方に伝えてみては?
と考えてみましたがいかがでしょうか。

参考までに
http://k-astec.cocolog-nifty.com/main/2013/05/post-205d.html

もしご質問へ回答のピントがボケていたらお役に立てず残念です。

M&m様、
返信ありがとうございます。
そうですね、グラフでもあればキャプチャでも我慢するのですが、そもそもキャリブレーションが完了しないとグラフをかいてくれません。星が動かないのを承知で無理やりキャリブレーションしてみる方法を試してみます。

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